2009年競馬界

東京大賞典でいい感じにやられてきたところで、今年の競馬は終了。うん、最後の最後まで締まらない。



■JRA賞予想。

・最優秀2歳牡馬……ローズキングダム
・最優秀2歳牝馬……アパパネ
まあ、これは順当。

・最優秀3歳牡馬……ロジユニヴァース
・最優秀3歳牝馬……ブエナビスタ
牡馬は、アンライバルド、スリーロールス共にぱっとしなかったので。(ジョーカプチーノは省略)
牝馬はレッドディザイアにも票が投じられそうだけど、8:2でブエナ当確かと。

・最優秀4歳以上牡馬……カンパニー
・最優秀4歳以上牝馬……ウオッカ
牝馬は満票でもおかしくない。
牡馬はトリームジャーニーと票を分け合いそうだけど、8歳でのGI制覇という快挙が考慮されるんじゃないかなあ。

・最優秀短距離馬……ローレルゲレイロ
・最優秀障害馬……キングジョイ
・最優秀ダートホース……エスポワールシチー
短距離部門が悩ましいけど、ダイワメジャーのときに「短距離を主戦場としてない馬が受賞ってどうよ?」って論争があったので、ゲレイロじゃないかな、と。

・年度代表馬……ウオッカ
史上初の日本調教牝馬によるJC制覇&史上初の東京競馬場古馬GI完全制覇達成があるので。

来年は芝路線、特に牡馬の層が薄くなりそう。短距離路線も、新ヒーロー出現の気配は、今のところ無い。
反面、ダート路線はヴァーミリアン引退でも相変わらず群雄割拠の状況が続くのでは。


■リーディングサイアーランキング、異状あり。
もしかすると、日本競馬史上初ではないだろうか。
種牡馬リーディングトップ10が、かつて日本で競走生活を送った馬で占められるという事態は。
ここのところ、輸入種牡馬の仔よりも、マル父(あるいはマル外・持ち込み)の仔が重賞で勝つことがそれほど珍しいことではなくなってきてはいたが、まさかここまでとは思わなかった。
ちなみにGIに限れば、輸入種牡馬の仔が制したのは何と天皇賞・春(マイネルキッツ、父はカナダから輸入されたチーフベアハート)のみ。
統一GIまで視野を広げても、JDダービーのテスタマッタ(マル外、父Tapit)とJBCスプリントのスーニ(マル外、父soto)が加わるだけ。他は全て日本で走った馬の仔が制したことになる。

そんな中リーディングサイアーに輝いたのは、マンハッタンカフェ。2位アグネスタキオン、3位ダンスインザダークと併せて、サンデーの仔がリーディング1位~3位を独占したことになる。なお、トップ10内にはサンデーの直仔種牡馬が5頭ランクインしている。
これは、100年前のセントサイモンの状況に酷似している。19世紀末から20世紀初頭にかけて欧州を席巻したセントサイモンの血は、急速な勢いで大帝国を築き、そして等しく急速に衰退していった。
世に言う「セントサイモンの悲劇」である。
サンデーサイレンスという類稀な馬の血も、同じ道を歩み始めているように思えてならない。現にいま、サンデーの血を含む馬が出走していないレースを探すほうが難しいのだ。

これで「日本にも独自の血統土壌ができた」と喜んではいられない。
何しろ、サンデー直仔以外の顔ぶれは、マル外・持ち込み馬が3頭(クロフネ、キングカメハメハ、シンボリクリスエス)、ブライアンズタイムの直仔が1頭(タニノギムレット)なのだから。日本古来の父系が育っていない証左である。
残る1頭は、内国産2代目のサクラバクシンオーだが、こちらは後継種牡馬になかなか恵まれず、このままいくと父系存続すら危ぶまれる。独自の父系が根付きにくいという日本の特徴は、未だ生き続けているのである。

父系にも牝系にも広く枝を伸ばしているサンデー系が凋落することは予想に難くないが、そうなった時にどんな血統が日本の競馬を支えるのか。また諸外国から新しい血を導入する、などということになれば、これまで同様の舶来からの借り物競馬でしかない。
傍流を育てる努力をしなければ……と、それを往時の活気を完全に失った今の日本馬産界に求めるのは酷な話か。

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