ナスルーラの血筋と日本競馬の関わりは長く、そして深い。
ネヴァービートをはじめとしたネヴァーセイダイ系を皮切りに、グレイソヴリン、ボールドルーラー、プリンスリーギフト、ネヴァーベンド、レッドゴッド、フリートナスルーラなどの系統の種牡馬が続々と輸入され、大レースを中心に活躍馬が数多く出現した。DS96発売当時も影響力は大きく、一例として、1993年のクラシックは全てナスルーラの直系馬が制している。21世紀に入ってからは直系馬が大レースを勝つ機会はめっきり減り、どちらかというと母系にナスルーラを持つ馬の活躍が目立つようになっている。
ダビスタ96ではナスルーラ系の種牡馬も多く、小系統全てを合わせると43頭が収録されている。ノーザンダンサー系同様、こちらも数が多いので記事を分割する。いずれの系統も、わずかな例外を除いて血統表内にナスルーラを持っているうえに、その直仔も有用なクロスを持っているため能力の底上げは比較的しやすい。
このページでは、グレイソヴリンとネヴァーベンドの直系種牡馬を扱う。
デフォルト種牡馬・公式パス種牡馬は系統図内ではオレンジ文字、IDのみ設定されていてパス非公開の種牡馬は グレーで表示している。なお、後者に関しては記事内では触れない。
- Nasrullah
- Grey Sovereign
- Sovereign Path 【ソヴリンパス系】
- スパニッシュイクスプレス
- アローエクスプレス
- リードワンダー
- アローエクスプレス
- スパニッシュイクスプレス
- フォルティノ 【フォルティノ系】
- Caro
- クリスタルパレス
- シャルード
- Cozzene
- ゴールデンフェザント
- シービークロス
- タマモクロス
- Caro
- ゼダーン 【ゼダーン系】
- Kalamoun
- Kampala
- トニービン
- Kampala
- Nishapoul
- ムクター
- Kalamoun
- ドン
- サクラシンゲキ
- Sovereign Path 【ソヴリンパス系】
- Grey Sovereign
グレイソヴリンは平凡なスプリンターではあったもののダービー馬ニンバスの半弟という血統を買われて種牡馬入りし、期待以上の成功を収めた。直系はフォルティノとゼダーンの系統が栄え、数多くの活躍馬が誕生した。日本でもグレイソヴリンの影響は大きく、フォルティノの系統からはタマモクロスやビワハヤヒデが出現し、ゼダーンの曾孫に当たるトニービンが1994年に中央リーディングサイアーを獲得し、ソヴリンパス直系のアローエクスプレスが日本総合リーディングサイアーの座に就いた。他にも、直仔のグスタフやドンからもGI級レースの勝ち馬が出現している。余談だが、平成三強と呼ばれたオグリキャップ、スーパークリーク、イナリワンには「父が母方にグレイソヴリンの血を持っている」という共通点がある。
その後もグレイソヴリンの直系は細いながらも断続的に活躍馬を出している。カロ直系のアンクルモーが北米2歳リーディングサイアーとなり、その仔ナイキストもGI馬を輩出している。フランスや豪州でもケンマールから派生したハイエストオナーやケンドールの系統が存続している。日本では1996年以降もトニービンから複数のGI馬が誕生し、後継種牡馬のジャングルポケットもGI馬を多数輩出して成功したがその後が続かず、父系の存続がかなり怪しくなっている。フォルティノ系はアドマイヤコジーンがスノードラゴンなどGI馬を輩出してみせたがその後が続かず、輸入されたカロ直系種牡馬も大成功とまではいかなかった。タマモクロスの後継種牡馬が軒並み低調に終わったこともあり、この系統は日本では衰退の一途を辿っている。
DS96に登場するグレイソヴリン系はいずれもシックル系を持っていないため、スーパーシェビニオン始祖の4代目締め配合が主流となっている。フォルティノの系統はフォルティノのクロスでスタミナも補強できることもあってアベレージは高く、殊にタマモクロスはパラメータの優秀さと血統(フォルティノのラインの他にもパーソロンやシャトーゲイ、ヒンドスタンまで持っている)が相まって、DS96全体でも最強格の種牡馬である。ゼダーン系はノーザンダンサー系とニックスの関係にあるためスピスタ両面を補強しやすく、2頭ともSランク馬を輩出している。リードワンダーとサクラシンゲキはパラメータと面白系統の構成のせいで強豪馬の輩出は絶望的だが、サクラシンゲキは母母父で唯一グレイソヴリンを残せるためそこそこ需要はある。
- Nasrullah
- Never Bend 【ネヴァーベンド系】
- Mill Reef
- マグニテュード
- ミホノブルボン
- ミルジョージ
- イナリワン
- オサイチジョージ
- Shirley Heights
- シェイディハイツ
- Darshaan
- コタシャーン
- パドスール
- イブンベイ
- クリエイター
- ダイヤモンドショール
- ワッスル
- アロングオール
- マグニテュード
- Riverman
- ルション
- リヴリア
- ベルマン
- ブレイヴェストローマン
- グレートローマン
- ランドヒリュウ
- Mill Reef
- Never Bend 【ネヴァーベンド系】
ネヴァーベンドの系統はミルリーフとリヴァーマンの2系統に大別される。両者とも80年代から90年代にかけて大きく発展し、前者からはシャーリーハイツが、後者からはアイリッシュリヴァーがそれぞれ後継種牡馬として成功を収め、偉大な父と祖父の血を広めた。日本においても80年代にブレイヴェストローマン、ミルジョージ、マグニテュードが導入され、いずれも一定の成功を収めた(3頭とも競走馬としては芽が出なかった、という点で共通している)。
DS96が発売された1996年はイナリワンやミホノブルボンの記憶がまだ新しい時期である。80年代末から90年代なかばにかけ、上述3頭の成功を受けてリヴァーマン系・ミルリーフ系の種牡馬が続々と輸入され、その中の1頭リヴリアがナリタタイシンを出してみせたのもこの頃である。
しかしその後、ネヴァーベンドの系統は徐々に衰退していく。ミルリーフ系ではデイラミ、ダラカニ、コンデュイットなどの大物も出現したが、いずれも種牡馬としては一息で父系復興には至らず先細りとなっている。リヴァーマンの系統からは凱旋門賞馬のサキーが出たが、こちらも後継種牡馬がイマイチで、最も成績の良いサキーズシークレットの供用先がイタリアということもあってこちらも苦境に立たされている。衰退の潮流は日本も同様で、90年代に導入されたミルリーフ系種牡馬がことごとく期待外れ。鳴り物入りで輸入されたコンデュイットも産駒成績が一向に上がらずアイルランドに再輸出されてしまった。ミルリーフを経ないネヴァーベンドの系統も同様で、ナリタタイシンは500万下勝ちの出すのが精一杯という惨憺たる結果に終わった。ブレイヴェストローマンの後継種牡馬はカリスタグローリやメイショウホムラが重賞馬を出してみせたが、こちらも父系存続には至らなかった。
DS96のミルリーフ系はミルリーフ~ネヴァーベンド~ナスルーラを(馬によってはネアルコも)利用できるためスピスタ両面の補強がしやすく、産駒のアベレージは高い。全馬気性がBないしはCであるため、ナスルーラのクロスを使ってセン馬にしやすい利点もある。一方でミルリーフの母父がセントサイモン系ということと、ミルリーフのクロス目的でパノニカ始祖にすることが多いこともあり、エタン系(特にフラッシュオブスティール)とのニックスが活用される局面は少ない。全体的に面白配合と多重クロスを両立できない種牡馬が多いため突き抜けた産駒は少ないが、それでもミルジョージ、ダルシャーンからはSランク馬が確認されている。
一方、ミルリーフを経由しないネヴァーベンド系はネヴァーベンド~ネアルコのラインを活用できるうえに母系が充実している馬が多く、リヴリア、ルション、グレートローマンからSランク馬が出現している。ブレイヴェストローマンは母母父でナスルーラを残せるためさまざまな配合で出番が多い種牡馬ではあるが、父としては微妙なレベルである。
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