ネイティヴダンサー系~レイズアネイティヴ系・エタン系

現代競馬における4大メジャー父系の祖(ノーザンダンサー、ナスルーラ、ターントゥ、ネイティヴダンサー)の一頭に数えられるネイティヴダンサーではあるが、「ネイティヴダンサーの隔世遺伝」という言葉が表す通り、直仔より孫に大物が多いという特徴がある。レイズアネイティヴの仔ミスタープロスペクターとアリダー、ダンキューピッドの仔シーバード、ダンシングキャップの仔オグリキャップなど、歴史的名馬は計ったようにネイティヴダンサーから1代離れている。

ダビスタ96にはネイティヴダンサー直系種牡馬が13頭収録されており、うち9頭がレイズアネイティヴ系、3頭がエタン系である。当然ながら、すべての馬が血統内にネイティヴダンサーを持っており、ナスルーラやグレイソヴリンでスピードを補強できたりレイズアネイティヴで底力アップを狙えたりと血統面で魅力的な馬が多いが、多くはパラメータが中途半端なせいで締め種牡馬としてはややパンチ不足で、どちらかと言えば母父や母母父として活用される機会が多い。

デフォルト種牡馬・公式パス種牡馬は系統図内ではオレンジ文字、IDのみ設定されていてパス非公開の種牡馬は グレーで表示している。なお、後者に関しては記事内では触れない。

  • Native Dancer 【ネイティヴダンサー系】
    • Raise a native 【レイズアネイティヴ系】
      • Mr.Prospector
        • Fappiano
        • Miswaki
        • Naevas
          • キンググローリアス
        • Woodman
          • ヘクタープロテクター
        • テューター
        • スマコバクリーク
        • エブロス
        • ジェイドロバリー
        • モガンボ
        • マジックマイルズ
        • アフリート
        • ガダボート
        • リズム
        • スキャン
      • Alyder
        • カコイーシーズ
        • クリミナルタイプ
        • Easy Goer
        • リンドシェーバー
      • ホープフーリオン
        • キヨヒダカ
      • Exclusive Native
        • Valdez
          • エルセニョール
    • エタン 【エタン系】
      • Sharpen Up
        • Kris
          • リーチ
          • フラッシュオブスティール
        • Sharpo
          • カッティングブレード
        • ハープアイル
    • ダンシングキャップ
      • オグリキャップ

ミスタープロスペクターはノーザンダンサーと並ぶ20世紀末期の大種牡馬であり、1996年の時点でも数多くの活躍馬を輩出していた。後継種牡馬からもGI馬が出現し始め、凄まじい勢いで血統地図を書き換えていたのもこの時期だった。1996年頃の当時の日本におけるミスプロ系は「短距離であれば芝ダートを問わず堅実に走るが大物感には欠ける」といった性質の馬ばかりであった(GI2勝のニシノフラワーはいた)が、1997年・1998年のNHKマイルCをシーキングザパールとエルコンドルパサーが制し、前者は翌年のモーリスドゲスト賞に勝利し、後者はフランスを転戦した末に凱旋門賞でモンジューの2着に食い込んで競馬ファンを沸かせた。

その後もミスプロ系は発展を続け、現在ではファピアノ、ゴーンウェスト、マキャヴェリアン、シーキングザゴールド、スマートストライク、フォーティナイナー、キングマンボなど直仔種牡馬が大きな父系を形成している。日本においてもミスプロ系の存在感は大きい。エルコンドルパサーやフォーティナイナーやティンバーカントリーがスマッシュヒットし、キングカメハメハは大物産駒を続々と輩出して大成功を収め、孫世代からもGI馬が多く誕生している。

DS96のミスプロ系は、ジェイドロバリー、ヘクタープロテクターからSランク産駒が出現し、ウッドマンがBCで強い産駒を輩出しているが、それ以外の種牡馬は距離適性やパラメーターが強豪馬向きではなく苦戦している。言うまでもなくネイティヴダンサーを使う配合が王道ではあるが、ナスルーラや母系の血を活用したり、BMSナトルーンorメイワパッサーでニックス締めの強豪馬も多い。


アリダーはGI6勝を挙げた名競走馬ではあったが、三冠競走では同期のアファームドの後塵を拝し続けた。しかし、種牡馬になってからはライバルを完全に逆転。中長距離を中心に大物を多数輩出して名種牡馬の地位を確立した。日本における代表産駒は朝日杯でマルゼンスキーのレコードを更新したリンドシェーバー。同馬のほか、ヒシアリダーやキョウワアリシバやプレミアムサンダーなどの直系競走馬も種牡馬入りし、海外からはカコイーシーズやクリミナルタイプなどが輸入された。

しかし、アリダーの後継種牡馬は父ほどの成績を挙げることができなかった。大将格のアリシーバが種牡馬としては失敗に終わり、ターコマンがそこそこやれたものの後が続かず、日本のリンドシェーバーはサイコーキララやギャラントアローなどの重賞馬を出したが父系を継ぐ牡馬には恵まれなかった。大きな期待を寄せられたイージーゴアが早逝した不運も重なってアリダー系は一気に衰退し、命運は風前の灯となっている。

DS96のデフォルト種牡馬のうちアリダー産駒はカコイーシーズただ一頭である。父としては微妙ながらも、父がシックル・母父がファラモンドなので、面白系統が少ないナスルーラ持ち種牡馬で締める際の母父として重宝されている。


レイズアネイティヴ直系ではもう1頭、ホープフーリオン(アリダーの全兄)産駒のキヨヒダカもいる。こちらは1996年当時中山ダート1800mのコースレコードホルダーであり、2025年現在もなおレコードホルダーである。DS96ではかなり地味な存在で父としても母父としても利用される機会は少ないが、ラグビーボール締めの母父に使うことでSランク上位馬を輩出する。


エタンは日本へ輸出する前に残してきたシャーペンアップが種牡馬として活躍し(こういうパターンってわりと多い気がする。フォルティノとかゼダーンとか)、クリスとその弟ダイイシス、セルカークなどが成功したことで勢力が広がった。

1996年の当時の日本でもフラッシュオブスティールやリーチの産駒が走っていたが、前者はナガラフラッシュを、後者はアドマイヤボサツを出した程度に終わり、その後ダイイシスからマルカダイシスやスギノハヤカゼなどの重賞馬が出はしたものの先は続かなかった(そういや、クリス・ダイイシスの全弟キーンもヒコーキグモを出してたな)。欧州のエタン系はというと、先述の成功種牡馬たちは牡馬の大物に恵まれず、数少ない後継種牡馬によってどうにか父系が繋がっている状況である。

DS96のエタン系はレッドゴッド、ヘイルトゥリーズン、ネヴァーベンドとニックスとネイティヴダンサーのクロスを活用できるため、配合のバリエーションはわりと広い。シャーペンアップの母系にロックフェラがあるため、母母父ハイセイコーの配合もちょくちょく見受けられる。全馬安定Cということもあり産駒の質は悪くなく、フラッシュオブスティールからはSランク馬も確認されている。


DS96に収録されているネイティヴダンサー傍系はオグリキャップのみである(PS版にはシーバードの孫ベーリングが収録されている)。日本中を熱狂に巻き込んだオグリキャップは種牡馬入りしてからも注目を集め、初種付けの様子がスポーツ新聞に掲載されたり、初仔(オグリワン)が誕生した際にはニュースで取り上げられるほどだった。初年度産駒のオグリワンやアラマサキャップが重賞やOP特別で健闘したものの種牡馬成績は年を追うごとに低迷していき、自身に並ぶ産駒を出せないまま種牡馬を引退することとなった。これでオグリの血筋も終わりかと思われていたが、孫のクレイドルサイアーが競走馬を引退してから10年後に突如繁殖登録して話題となった。しかし同馬は2023年に死去しており、遺された牡馬2頭がどちらも種牡馬入りしなかった場合はオグリキャップの血脈も絶えることとなる。

ネイティヴダンサーとグレイソヴリンを併せ持つオグリキャップは、DS96発売前に最も注目を集めた新種牡馬であったが、新たに導入された面白い配合との親和性はあまり高くなく、真っ当な生産馬からSランク馬は確認されていない。オグリ自身ネイティヴダンサーが2代前ということもあり母母父に起用されるケースが多く、特にノーザンダンサー系締め配合においては常套手段となっている。

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