20世紀中期に現れ、あっという間に血統地図を書き換えてしまった大種牡馬ノーザンダンサー。日本の競馬界も例外ではなく、11年連続でJRAのリーディングサイアーの座に就いたノーザンテーストを筆頭に、80年代から90年代にかけて直系産駒が大レースを席巻した。
ただ、90年代なかばに輸入種牡馬、とりわけサンデーサイレンスの産駒が走るようになってからは状況が変わり、現在日本は世界でも珍しい「ノーザンダンサー系がリーディングサイアーになれない国」となっている。
ダビスタ96がリリースされた1996年はまさにその端境期に当たる。まだノーザンダンサー系の影響力が大きかったこともあって、ゲーム内には数多くのノーザンダンサー系種牡馬が収録されている。デフォルト・公式パス種牡馬164頭のうち、ノーザンダンサーの直系は実に50頭にものぼる。スイフトスワロー、アンバーシャダイ、アサティス、ノーアテンション、ラシアンルーブルといったDS96最強格とされる種牡馬もすべてノーザンダンサー系である。
DS96におけるノーザンダンサー系締め配合の全体的な傾向として、父方の強力な血、すなわちネイティヴダンサーやネアルコ、ハイペリオンなどをフル活用しつつ母系の血を活かした味付け、といった配合が採用され、上位級の強豪馬には同系配合(ないしはBMSワイルドアゲイン)が多い。ニックスが使われる場合もあるが、その際は母系にクロスを集める必要があり、ニジンスキー系はニジンスキーを、その他の系統はミッドナイトアールティやプチカプリースを母母あるいは4代母に採用するのが常套となっている。能力アップ要素が多いため系統全体の平均値は非常に高く、50頭中実に半数以上の33頭がSランク馬を輩出している。
数が多いので、ノーザンダンサー系は記事を分割する。
このページでは、自身と直系子孫が共に登場する種牡馬を扱う。
デフォルト種牡馬・公式パス種牡馬は系統図内ではオレンジ文字、IDのみ設定されていてパス非公開の種牡馬はグレーで表示している。なお、後者に関しては記事内では触れない。
- Nearctic
- Northern Dancer 【ノーザンダンサー系】
- Nijinsky
- Green Dancer
- ノーアテンション
- スーパークリーク
- ノーアテンション
- ラッキーソヴリン
- マルゼンスキー
- ホリスキー
- サクラトウコウ
- サクラチヨノオー
- スズカコバン
- レオダーバン
- イルドブルボン
- ヤマニンスキー
- ヤエノムテキ
- ラシアンルーブル
- Caerleon
- ムーンライトパレス
- ナグルスキー
- ダンスオブライフ
- ミュージックタイム
- Green Dancer
- Nijinsky
- Northern Dancer 【ノーザンダンサー系】
ノーザンダンサー初期の傑作とされるニジンスキーは、競走馬としても種牡馬としても大きな成功を収めた。直仔種牡馬もまた活躍馬を数多く輩出し、一大父系を形成するに至った。日本においてもニジンスキーの影響力は大きく、マルゼンスキーを嚆矢として多くの直系産駒がターフを賑わせた。DS96が発売された1996年のダービーはカーリアン産駒のフサイチコンコルドが、初回のNHKマイルCはシアトルダンサー産駒のタイキフォーチュンがそれぞれ制しており、その後も香港GI3勝のエイシンプレストンやマイルCS勝ちのゼンノエルシド、地方所属馬として史上初めてJRAのGIを勝ったメイセイオペラなどの活躍馬が出現した。
しかし、20世紀に入ったあたりから世界的にニジンスキー系は退潮気味となる。ニニスキ産駒のロミタスは凱旋門賞馬デインドリームなどの活躍によってフランスのリーディングサイアーとなり、その仔シルヴァノも南アフリカで成功を収めはしたが、他の競馬主要国から活躍馬が出現することは稀となっており(ブラックキャビアの快進撃ももう10年以上昔なのよね……)、往時の勢いは完全に失われている。ジェネラスやラムタラといった名馬が種牡馬としては失敗に終わり、産駒成績が好調だったスワーヴダンサーが落雷によって急死したのも痛手だった。日本でもニジンスキー系の競走馬が活躍する場面はかなり少なくなっており、フサイチコンコルド産駒のブルーコンコルドが現時点では最後のGI級レースの勝ち馬となっている。そもそも国内の父系自体が絶滅危惧種であり、マルゼンスキーの曾孫にあたるクラグオーが辛うじて細い血脈を繋いではいるが、ここから父系が大きく発展するとは考えにくく、消滅は時間の問題と思われる。
DS96では、ノーザンダンサー系の中でも最大の勢力(ニジンスキー自身も含めて11頭)を誇る。ニジンスキーがスピスタアップのインブリード効果を持っているのが何より大きく、スタミナアップ要素を3本以上盛り込む配合を作りやすいため産駒のアベレージは全体的に高い。ニジンスキーの直仔であればニジンスキーだけでなくネイティヴダンサーを使えるのも大きい。ホリスキーとラッキーソヴリンを除く9頭からSランク産駒が確認されており、とりわけ、ラシアンルーブル、ノーアテンション、マルゼンスキーは気性B最強クラスの産駒を複数輩出している。
- Nearctic
- Northern Dancer
- ノーザンテースト
- アンバーシャダイ
- メジロライアン
- アスワン
- メジロアルダン
- ギャロップダイナ
- ダイナガリバー
- ダイナサンキュー
- レジェンドテイオー
- スルーオダイナ
- ダイナレター
- アンバーシャダイ
- ノーザンテースト
- Northern Dancer
ノーザンテーストは日本におけるノーザンダンサー系の草分け的存在であるのと同時に、ノーザンダンサー系種牡馬としては日本で最も大きな成功を収めた種牡馬である。短距離馬から長距離馬まで牡牝を問わず活躍馬を多く輩出し、仕上がりが早い一方で成長力にも富み、ダートでもコンスタントに走るという万能性が成功の要因であろう。
後継種牡馬も多くスタッドインしており、アンバーシャダイやダイナガリバーがGI馬を輩出している。DS96が発売された翌年の1997年にはクラシック戦線で孫のメジロライアン産駒がブレイクし、ノーザンテーストの父系も安泰かと思われた。しかしその後が続かず徐々に直系産駒の成績は先細りとなり、現在国内におけるノーザンテーストの父系は断絶している(中国ではまだ残っている可能性あり)が、BMSとしては非常に優秀であったため母系に入って血は引き継がれている。
DS96におけるノーザンテーストとその直仔種牡馬は優秀な部類に入り、特にアンバーシャダイとギャロップダイナが図抜けている。全馬ハイペリオンを活用できるうえに、ノーザンテーストの仔たちは面白系統にシックルが含まれないため、シルクスクリーン始祖配合や母母父オグリキャップ配合を使いやすい。ダイナガリバーとダイナサンキューからはSランク産駒が確認されてはいないもののAランク上位産駒は生産可能であり、ニジンスキー系同様産駒のレベルはおしなべて高い。
- Nearctic
- Northern Dancer
- ナイスダンサー
- ラグビーボール
- Nureyev
- フォティテン
- Theatrical
- ステートリードン
- Danzig
- ラシアンボンド
- アジュディケーティング
- ポリッシュネイビー
- シャーディー
- スラヴィック
- Sadler's Wells
- フレンチグローリー
- オールドヴィック
- オペラハウス
- ナイスダンサー
- Northern Dancer
サドラーズウェルズは1996年の時点で欧州におけるチャンピオンサイアーとして君臨していたが、最晩年にもモンジュー、ガリレオと歴史的名馬を輩出。とりわけガリレオは父と比肩する大種牡馬となり、欧州競馬を席巻するに至った。ガリレオの息子フランケルも英愛リーディングサイアーを獲得し、父と祖父が造り上げた帝国を盤石にした。米国に渡ったエルプラドや豪州へ輸出されたハイシャパラルも当地で成功を収めて父系を伸ばしており、サドラーズウェルズの血は世界各地に拡散している。日本では直仔こそサージュウェルズがステイヤーズSを勝利したのに留まったが、孫以降の世代からはテイエムオペラオーを筆頭に、メイショウサムソンやシングスピール、ソウルスターリング、ロゴタイプなどGI馬が複数出現している。BMSとしても日本と親和性は高く、フサイチコンコルドやアンライバルドなどバレークイーンの産駒たちや、エルコンドルパサー、シーザリオ、ヘヴンリーロマンスなど活躍馬も多い。DS96におけるサドラーズウェルズとその子孫は、面白配合とインブリードが両立しづらく、母系にも有用な血が少ないことからやや苦戦傾向にあり、現在に至るまでSランク馬は確認されていない。
サドラーズウェルズがスタミナと馬力に富んだ産駒を多く輩出した一方で、ダンチヒはスピード色豊かな産駒を数多く送り出した。1996年の時点ではチーフズクラウンがダンチヒ系の主流になりつつあったが、その後デインヒルやグリーンデザート、ウォーフロント、ハードスパンの系統も発展した。ダンチヒの子孫もまた欧州、米国、豪州と世界各地で繁栄しており、枝の広さはサドラーズウェルズに引けをとらない。ダンチヒ産駒の日本調教馬でGIを勝ったのはヤマニンパラダイスとアグネスワールドの2頭のみだが、21世紀に入りチーフベアハートやデインヒルからGI馬が誕生した。アジュディケーディングは地方競馬のチャンピオンサイアーとして君臨し、2011年に導入されたハービンジャーからも活躍馬が多数産まれている(ピルサドスキー? そういえばいましたね)。DS96におけるダンチヒ系は中堅どころのポジションであり、こちらもサドラーズウェルズ同様Sランク馬は確認されていない。現実世界ではノーザンダンサー系の中でもトップクラスの実績と父系規模を誇るこの2頭がSランク未確認というのはなかなか面白い。サドラーズウェルズと異なる点はダンチヒ自身がスピードダルブアップの効果を持っていることであり、そのクロスを活かした強豪馬も存在はするものの、怪物級の産駒を輩出するほどの効果を発揮するとは言い難い。
ヌレイエフは80年代後半から90年代中盤にかけて名馬を多数輩出した。ミエスク、ソヴィエトスター、ジルザル、スピニングワールドなどのマイラーが多かったが、晩年には90年代最強とも評されるパントレセレブルが出現。日本でもハートレイクとブラックホークが安田記念を制しており、孫以降にもヒシアマゾン、ワンダーパヒューム、コスモバルクなどの活躍馬がいる。1996年当時ではノーザンダンサー直系の中でもトップクラスのヌレイエフだったが、後継種牡馬は父ほどの実績を挙げられなかった。一時は父系の存続すら危ぶまれたが、ポーラーファルコンの仔ピヴォタルが種牡馬としてもサイアーオブサイアーとしても成功したことで復興を遂げた。日本では父系こそ伸びなかったものの(ソットサスが導入されたけど、どうなるんすかねえ)、BMSとしてはジャングルポケットやゴールドアリュール、イーグルカフェ、フサイチパンドラ、トゥザヴィクトリーなどを出している。DS96のヌレイエフは一応Sランク馬を輩出はしているがポジションとしては「中堅どころやや上」といったところ。直仔フォティテンからも突き抜けた馬は出現していない。
ナイスダンサーは比較的早い時期に日本へ輸入され、GI馬こそ誕生しなかったものの、多くのバイプレイヤーを世に送り出した。なかでもナイスネイチャはそのキャラクター性から多くの競馬ファンから愛され、アイドル的な扱いを受けた。父系こそ伸びなかったものの、母父としてはGI4勝の名馬トウカイテイオーを出している。DS96におけるナイスダンサーは、自身こそギリギリSランク輩出クラスではあるものの、産駒のラグビーボールはSランク馬を複数輩出したDS96における屈指の名種牡馬である。ナイスダンサーの系統はヘロド系を含むため面白配合になりやすいが、反面クラリオン系とのニックスは使いづらい。
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